熊本駅西口駅前広場

先週末の熊本駅東口駅前広場につづき、西口駅前広場の写真です。
設計は佐藤光彦さんです。

東口駅前広場と一変して、こちらは全長200m以上の一続きの壁でロータリーと歩道を仕切り、駅間広場を屋根と壁で囲んでいます。壁には様々な位置に開口が設けられ、ロータリーと広場の動線と視界をつないでいます。ロータリーと歩道の境界に壁を立てるという事例はなく、駅のコンコースと延長のような半外部空間となっていて、駅前広場には今までにない空間が実現されています。
ただ、西口駅前広場に比べると、今までにない空間より今までにあった街の空間や人の流れを顕在化させる方が地方の玄関口となる駅前広場に求められている姿なのではないかと感じました。

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夏休みのオープンデスク募集

オープンデスクを募集します!
夏休みの時間を活かして設計事務所の仕事を体験してみたい方、お気軽に応募して下さい。 企画から設計まで、実際の制作活動や仕事の現場に身近に接することができます。 

■ プロジェクト
・川崎の住宅
・鹿児島の住宅
・都立大の住宅

■ 主な仕事の内容
・模型製作、図面作成補助、プレゼンテーション補助など
■ 募集期間
① 8月1日~18日
② 8月19日~30日
※参加日程は10日~2週間程度、期間相談可
■ 時間
10時~19時 ※時間相談可

ご希望の方は学校名、学年、希望期間を明記の上、E-mail (suzuki@asei.jp)にてご連絡ください。 熱意のあるオープンデスクの参加をお待ちしています。


川崎の住宅~照明計画打合せ

お施主さんと照明デザイナーの岡安泉さんに事務所にお越しいただき、照明計画の打合せをしました。

流れ屋根の天井面には光源は設けず、天井面全体に間接照明の光を当て、曲面に美しい光のグラデーションをつくります。曲面からの反射による柔らかな光で影のない光環境が生まれます。

岡安さんに間接照明の器具をメーカーに手配いただき、お施主さんに照度や光の反射の仕方を実際に見ていただきました。この間接照明は調光の度合いで色温度が変化するため、暮らしのシーンに合わせて、天井の光環境を自由に調節できます。

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照度分布図1

「タスク・アンビエント照明方式を採用し、快適性と省エネルギーの両立を図ることを照明計画の目的としている。アンビエントとなる光は、曲率を持った大きな天井面に光を向け、天井面全体を反射板とすることで空間に均質で眩しさの少ない快適な光環境を実現する。また、タスク用の光は壁付ブラケットやスタンドなどの手元灯を用いることで、少ないエネルギーで充分な明るさを確保している。」 (岡安泉照明設計事務所提供)


熊本駅東口駅前広場 / 西沢立衛

2011年の春の九州新幹線開通に合わせて計画された、西沢立衛さん設計の熊本駅東口駅前広場 (暫定形) を見に行ってきました。2011年の1月にはまだ工事中で完成が見られなかったので、楽しみにしていました。

熊本は緑が街に多く、日差しが強い地域です。この日は全国が猛暑日で痛いくらいの強い日差しでした。この駅前広場は、JRの駅舎から市街地を走る路面電車・バス・タクシーへの乗り換えの場でもあります。それらの様々な動線の流れを表現するように大きな有機的な形状の屋根1枚が浮かんでいます。現場打ちコンクリートの屋根で、梁のない平らなシンプルで綺麗な屋根。雲のようなかたちをイメージしたという。余分な表現はなく、たった1枚のカーブの屋根が、人の流れを浮かび上がらせています。有機的な雲の下に有機的な影ができ、その影に添うようにして人々が行き来しています。「公園のように人々が集う都市空間を創造したかった」という西沢さんが目指していたのは、単なる広場ではなく、緑、日差し、空、そして雨という熊本の環境と街の雰囲気を感じられる場であったのだと感じました。

この日、猛暑日のなか熊本城や水前寺を巡り、熊本市街を歩く中、感じたことは日差しの強さとそれを遮る影の少なさでした。そう思い返すと西沢さんはこの熊本にない新しい影を造りたかったのではないかとさえ感じます。「熊本の顔」として建築家のあるイメージを表現した建築ではなく、本当にこの街の自然な風景を見ているようで、このリアルな風景をイメージできる発想がすごい!これは写真では分からなかったことで、実際に見に来て本当によかったです。この1枚の屋根は暫定で、2018年には安藤忠雄さんによる駅舎が完成し、それに合わせてこの周辺にたくさんの雲が浮いた完成形の広場が実現される予定だそうです。

完成が楽しみであり、その頃また見に訪れたいです。

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「チソカツ」(地域素材利活用)

建築家・山下保博さんが代表理事を務める地域素材利活用協会の第2回シンポジウム~「チソカツ」(地域素材利活用)がみんなを元気にする~に参加してきました。

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私も鹿児島のシラスをはじめ、これまでも様々な地域の素材の開発や新しい構法にチャレンジしてきましたが、3人の先生方の最初の講演では様々なチソカツの新しい視点から実際のプロジェクトへの展開が進んでいて、興味深い視点ばかりでした。
みなさんの視点に共通しているのは、建築家が単体作品のオリジナリティのために素材にこだわっているのではなく、現在の社会が抱える問題に素材がどう関わっているのかを発見し、新しい関わり方を創造していくことだと言えるでしょう。

山梨さんの「そこいらにあるもの」からチソカツを考える
・都市建築にとっての素材
・素材に貧しい都市でも素材は広がっている
・どこでもある空気も地域素材のひとつ
・技術の一般化を目指す
・市場を踏まえた現実的な展開
・マスプロダクションからマスカスタマイゼーションへ

水野さんの「見えないモノ」からチソカツを考える
・15分のための建築
・目に見えないものを可視化する
・人々の想いをかたちにする

山下さんの「捨てられたもの」からチソカツを考える
・天然資源の枯渇
・シラスの環境型コンクリート
・経済にのせてナンボ
・白井晟一の保存プロジェクト
その後のシンポジウムでは様々な視点から刺激的な議論が繰り広げられました。

山下さん
・シラス、土を科学として解析する
・科学する=微分積分してそのモノが持っている本質が見えてくる
・個々で考えるから縮小していく、連携の中で可能性を見出す
山梨さん
・部品設計から材料設計へ
・これには法律・常識・マーケットがからんでくる
松岡さん
・川上(NPO)~川中(チソカツ)~川下(建築家)
・川上で土壌を耕す
・デザインの過程で欠けている問題、課題を発見して、トータルにプロデュース、コーディネイト、ディレクトしていく

特に山下さんのコモンセンスから考えるという視点は私には経験から共感できます。
コモンセンスは時代によって変わっていきます。
コモンセンスが育っている地域ではそれは大きな力になります。
コモンセンスが多様化した都市・地域ではまた、眠っているコモンセンスを引き出していくことが必要になる時代でしょう。
私も早速、チソカツに入会させていただき、チソカツしていきたいと思います!

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懇親会での山下保博さん。
私もこの場でご紹介いただきありがとうございました。

チソカツとは
地域素材利活用の略語。
地域にありふれた素材・事物を別の視点から再編集し、新たな資源/価値に仕立てあげること。一般社団法人 地域素材利活用協会は、チソカツを通じ地域に新たな仕事をもたらすことを目標とした、建築家・研究者・民間企業・行政を交えたプラットフォームです。


都城市民会館 1966年 菊竹清訓

11(土)鹿児島への出張を利用して、午後に宮崎県都城市にある都城市民会館を見学しに行ってきた。宮崎に行ったのは初めて。鹿児島から1時間1本のダイヤの特急で1時間10分程度かかった。

今年1月の「建築のこころ―アーカイブにみる菊竹清訓展」でこの都城市民会館の当時の模型や原図、スケッチを見ることができて、必ず1度見てみたいと思っていた。当時の市長が「市民会館を中心にして、ここから若い人を育ててていきたい」と若手の菊竹さんに設計を依頼されたようだ。その期待した効果もあってか、昭和40年から60年にかけて都城の人口も2万人程度まで増加している。今現在は16万5千人程度で減少が続いている。

菊竹さんは、地盤が悪いため構造を一極集中させて、そこに光や設備の装置と構造が一体になったものをつくりたいと考えた。扇状に1点から放射状に広がる7本の鉄骨門型フレームで屋根を吊り、天蓋のようにホール全体を包み込んでいます。その特徴的な外観は、今にも動き出しそうな生き物のようであり、当時のスケッチにもアンモナイトの貝の形状を参照している。しかし、当時担当スタッフだった建築家・長谷川逸子さんは菊竹さんに柱を1箇所に集中させるものとしてベビーカーの幌をイメージしたスケッチを提案したところ、すごく驚いた菊竹さんはその案を採用したというエピソードは面白い。

それでもこの曲線の形状は決め難いはず。実は、それは都城を囲む山の稜線を背景に合わせたという。これは空間を構造体で包み込むだけではなく、環境そのものを包み込むことにも意識が向いていたということだ。それを示す菊竹さんの文章がある。

『本来、自然においては、空気と光と音は統一されたものであり、一つの調和と秩序をもったものとして存在している。』
(菊竹清訓 作品と方法 1956-1970 同朋舎 16pより)

当時、メタボリズムのムーブメントの中で、この都城市民会館では空気や光、音を対象にして、目に見えない自然の秩序を建築にしていこうとしていた菊竹さんの先見性は、現在の建築にも大きな視座を示していると感じた。

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素材を通してニッポンの住まいを考える〜「外装材」

新築・リフォームをしたい人と住まいの専門家をつなげる米国発のコミュニティサイト「 Houzz JP 」に「素材を通してニッポンの住まいを考える」と題して、SHIRASUの外装マテリアルにズームして掲載されました。Houzz

SHIRASUを含めて計14作品がpart1と2にわけて紹介されています。建築の外装材の中でも特徴的な素材が取り上げられています。

外装材は家のイメージをつくる大きな要素ですが、私はイメージだけに終わらず、
内外の環境のつなぐ機能をもつ素材やその新しい構法に関心があります。また、シラスブロックを発展させた構法にもチャレンジしたいですね。

掲載ページ
part2 : ガルバリウム鋼板、コールテン鋼、グラスファイバーシングル、シラスブロック、メッシュ、木材、モルタル+塗装仕上げ

part1 : アクリル系樹脂、コンクリート、漆喰、繊維強化セメント板、天然石、木材、(参考として海外での焼杉記事にも触れます)

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