アース・ブリックス内覧会

昨日はアトリエ・天工人のアース・ブリックスの内覧会に参加させていただきました。

今年春先から見学を希望していたため、大変楽しみにしていました。山下保博さんが直に計画の詳細をご説明いただきました。日本で初めての土を構造体とした住宅として大変な挑戦の過程を伺えました。

柔らかく弱い土を酸化マグネシウムと水との結合し強度を得られることを発見され、その土ブロック約2,500個を職人の指導のもと事務所スタッフや時にはお施主さんまで参加して、製造し積み上げた住宅。最初から最後まで関わり、住み続けるなかで、お施主様の建築への愛着の高さは設計者以上かもしれません。

実際に住み心地をお伺いすると、土の熱伝導率・蓄熱性・調湿性に加えて、土ブロックの30cmの壁厚による効果で、快適な温熱環境になっているご感想でした。内壁は一年通して外部に左右されず約18℃程度の安定した温度を保っているとのことです。実際にこの日も温度センサーで確認してみると、外気温10℃、外壁表面温度11.5℃、内壁表面温度17.5℃となっていました。

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関東ロームの再資源化に向けて

月曜は左官職人の長田幸司さんにお会いするため、湯河原まで打合せに行ってきました。
長田さんは小田原城の天守閣の漆喰を手掛けるなど、日本の伝統左官技術を継承しつつ、新たな挑戦を続ける左官職人さんです。今回、煉瓦職人の高山登志彦さんの紹介でお会いすることができました。

湯河原にある長田さんの工房には、これまで仕事でのサンプルが数多く棚に保存されていました。丁寧に木のフレームに仕上げられたサンプルは、どれも仕上げというより絵画やレリーフのような美しさを感じさせます。

モルタルをベースに土・顔料を配合したモルタル左官とモルタルを配合せず、土のみを配合した土壁サンプルの違いを見せていただきました。
同じ色味でもその粒度の差からか、土壁の方が奥行と存在感のある印象になることがよく分かりました。自然素材のもつ情報量を汲み取れる人間の目は騙せないものだと思います。

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長田さんにお会いしたのは、現在計画中の目黒の住宅でのご相談です。
この住宅では、関東ロームの土を使って温熱環境の調和と自然とのつながりを生む家をテーマにしています。関東ロームは、関東地方の丘陵、台地、段丘の土地を覆っている降下火山灰で出来ている堆積層です。この関東ロームの建設発生土を再利用して、ブロックや土壁に再資源化する試みでもあります。シラスと違い、また別の性能を持つため、その性能を空間に活かす方法を模索しています。

長田さんには、まずこの関東ロームの土壁のサンプルを製作いただきます。
どのような表情になるか楽しみです。

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雑誌・コンフォルトに長田さん、高山さんが特集されています。
コンフォルト 150号 2016年6月号

特集
左官・煉瓦・タイル─湿式工法の新世代
http://confortmag.net/archives/backnumber/no-150

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